「耐震等級3ならどの構造でも強さは一緒です」は半分正解で半分ウソ

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不動産一般

 

 

今回は耐震等級3について語ろうと思います。

 

事あるごとに耐震等級やそれに関連した話を色んな記事で述べてきましたが、耐震等級だけにフォーカスして書いたことがなかったので今回の記事でまとめておきますね^^

 

 

先週の記事でも触れましたが、最近やたら大成パルコンで耐震等級3を取ることの意味。絶強たる所以。の閲覧数が多かったのでちょっと調べてみたらマンションコミュニティさんの積水ハウスの評判ってどうですか? (総合スレ)の中でこちらの記事が紹介されていました。

 

大成パルコン以外のハウスメーカーさんのスレッドでご紹介して下さるほど参考になったのであれば良かったです^^

とっとのブログは被リンク自由ですので、どんどんご紹介して頂いてOKですからね!笑

 

 

 

さて、本題です。

そのスレの中で耐震等級3について軽量鉄骨と重量鉄骨の耐震性能(強度)は同じか同じじゃないかということで嚙み合わない議論がされていたんですが、

そうですよね、恥ずかしながら私も住宅展示場に行き始めた頃は耐震等級3なら全て一緒だと思ってました。

だって鉄骨造ハウスメーカーの担当者に聞くとどちらの構造でも耐震性能は一緒ですって言いますからね。

 

そりゃ軽量鉄骨やってるメーカーだったらそう言いますよね。ポジショントークですから。

 

 

でも実際は同じ耐震等級でも構造毎に性能は異なります。

軽量鉄骨と重量鉄骨でも違います。当たり前ですよね。片やラーメン構造で片やピン構造なんですから、設計思想からして全然違います。

 

だから同じ耐震等級という言葉であっても、そもそもの計算方法が構造毎に違うわけです。つまり設定が違うんです。

それぞれの構造毎の設定においては同じ耐震等級3の条件を満たしているということになるので、どの構造も等級3を満たしているという意味では同じですよね。

だから半分正解で半分ウソなんです。

 

これは木造や鉄骨造のハウスメーカーに行っても勿論教えてくれない(というか営業担当者レベルでは知らない)ですし、鉄筋コンクリート系のハウスメーカーに行っても教えてくれないと思います(なぜなら現代では他社の悪口を言ったら逆に評判が悪くなるから自社の良いところだけを言うようにセールスマンも教育されていますからね)。

 

 

 

さて、さらっと耐震等級という言葉の定義をおさらいしておくと、

建築基準法が定める最低基準(震度6強程度の地震によって倒壊・崩壊しない強度)を満たす強度が「等級1」、最低基準の1.25倍の強度が「等級2」、同じく1.5倍の強度が「等級3」ということになります。

 

はい、出てきましたね。

耐震等級1というのは建築基準法が定める最低基準であり、具体的には震度6強程度の地震によって倒壊・崩壊しない程度の強度ということです。

ここで注意しなければいけないことは倒壊・崩壊しないというだけなので、無傷ではないということです。

 

 

ここで大事になってくるのが層間変形角の知識です。

 

層間変形角とは各階の地震力によって建物が横に変形する変形量と階高さに対する割合で、耐震等級1であれば木造なら1/120、鉄骨造(含むRCラーメン構造)なら1/200、壁式RC造なら1/2000と決まっています。

階高が3mとすれば1階当たり木造が2.5cm、鉄骨造が1.5cm、壁式RC造が1.5mmの変形まで許容されるということですね。

 

素材や構造が違えば性質も全然違うので層間変形角が異なるのは当然であり論じてもあまり意味が無いと言えばそうかも知れませんが、層間変形角が違えば被災したときのダメージが違います。

冒頭にご紹介した大成パルコンで耐震等級3を取ることの意味。絶強たる所以。でも述べていますが、実際に被災してしまったときのダメージの違いは歴史が物語っていますよね。

 

 

 

上述の説明で「耐震等級3ならどの構造でも強さは一緒です」は半分ウソなんだなということはお分かり頂けたと思いますが、

せっかくなので耐震等級3という言葉も半分ウソだというお話しもしておきましょう^^

 

 

そもそもそのハウスメーカーで建てるおウチは許容応力度計算による耐震等級3でしょうか?

冒頭でご紹介した記事にも書いてあるのでここでは取り上げませんが、性能表示計算による耐震等級3とは別物ですからね。

 

更に言えば、そのハウスメーカーの建物って型式認定ですよねって話もあります。

型式認定ということは個別に耐震等級3を取っているわけではないということですからね。あくまで等級3「相当」です。
もし型式認定のハウスメーカーで計画している方はお手持ちの図面をよく見てみて下さい。等級3「相当」と書いてあるはずです。

【思いのままに語る】型式適合認定とは?誰にとってのメリットか?

 

 

このように同じ耐震等級3という言葉を使っていてもどの計算による等級3なのか、そもそも個別に構造計算しているのかという点で全く意味が異なります。

 

営業マンはポジショントークしかしないですからね。営業のプロですが建築のプロではありません。

そもそもそこまで詳しく理解していないと思います。だって知ってたら罪悪感でまっとうに販売なんて出来ないと思いますよ。

 

だって、

しっかり構造計算した許容応力度計算による耐震等級3の建物と、個別に構造計算していない性能表示計算による耐震等級3の建物、

皆さんならどちらが欲しいですか?

 

 

そんな違いがあることを知っていたら丈夫な家が欲しい施主さんなら誰だって前者の建物が欲しいに決まってますよね。

知らないから施主はそのハウスメーカーで建てるし、知らないからそのハウスメーカーの営業マンは自信を持って販売できるんです。

 

 

で、こういう人達が自分のことをプロって言うんですよね。プロの私達に任せて下さいって笑

 

権威性ってやつですね。みんな専門家という人達に弱いですから笑

テレビで専門家と言われる人達を使ってお注射打ちましょうって煽ったらみんな打っちゃいましたよね。それと構図は一緒です。

 

とっとだって本当のことを言ってないかも知れませんからね。 なにせ素人ですから笑

おウチを買うのは自己責任です。何が正しいのかは自分で判断しましょう^^

 

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