投資するなら何が良い?おすすめの投資対象の選び方(種類別にリスクと本質を解説)
本記事で取り上げる投資対象の種類
下記に挙げる投資商品以外にも色んな種類がありますが、「リスクと本質を知った上で自分に合ったおすすめの投資対象を探し始める」という手順が大事だということを伝えたいというのがこの記事のテーマなので、巷でよく見る商品にしぼりました。
- 株
- 債券
- 投資信託
- FX(外為)
- 金
- 不動産投資
- デリバティブ(含む仕組債)
- 保険
各投資対象のリスクと本質
上記で挙げた投資対象について、一般的にリスクとリターンで以下のように分類されてることがありますが、見たことがあるという人も多いのでは無いでしょうか?
- ローリスク・ローリターン ・・・債券、金、保険
- ミドルリスク・ミドルリターン・・・不動産投資、投資信託
- ハイリスク・ハイリターン ・・・株、外為、デリバティブ
しかし、この考え方と各商品の表面上の仕組みの説明だけで何となく投資を始めるのはちょっと乱暴すぎるのでやめましょう!
ということで早速、この記事の結論、各投資対象のリスクと本質をそれぞれご紹介します。
株
株(株式)を買うというのは、株式会社の株主 = オーナー になるということです。基本的に、会社が潰れれば投下したお金はほとんど返ってきません。
債券のようにその会社が潰れるかどうかではなく、如何に成長するか、如何に投下した資本を増やしてくれるかという考え方で投資を行うスタイルになります。
つまり、潰れない前提 = かなりの優良企業 か 将来の成長期待が強い(裏を返せば失敗する可能性も十分ある)会社が投資対象になるので、株価が2倍、3倍、時には10倍以上に化ける銘柄もあります。
債券
銀行(債権者)が債務者にお金を貸すのと同じ考え方。投資家が債務者の債券を買うことで債権者となる。
つまり、債務者が潰れないか、信用力に対する金利は妥当か、何年間なら安心してお金を貸せるか等、自分が銀行になったつもりで債務者を選ぶ、というのが本質です。
金利は現在の経済・金融情勢では驚くほど低いので、投資対象としては面白くないかも知れません。
投資信託
株や債券のように実際に取引されているマーケットがあるわけではなく、ファンドマネージャーがどの投資対象で稼ぐかを決めて投資家の資金を運用してくれる仕組みです。
どれくらいリスクをとるかは投資信託の商品毎にある程度分かれていて、投資家がその中から決めることが出来ます。
(このファンドマネージャーという人たちは基本的に株や債券を買って運用しますが、株も債券もあらゆる銘柄を分母を大きくして買い持ちにしておけば均してプラスになるのは当たり前です。こういう人たちの高い給料を負担しているのは投資家だということを認識はしておいて下さい。)
外為
外為は投資ではなく投機です。
株なら株主としての配当や値上がり期待、債券なら債権者としての金利、不動産なら所有者としての賃料などを受け取れますが、為替はこのような権利に基づく価値のお返しがありません。
つまり通貨が売られるか/買われるかを当てるゲームに過ぎないのです。テクニカル分析やアノマリーなど、高確率で勝てるパターンなどはあったりしますが、イス取りゲームやカジノで勝ち続けることができないのと同じ理屈です。
金
よく「金には金利が付かないから投資をしても増えない」と本気で発言している人がいますが、そんなことは全くありません。金の採掘量に比べて圧倒的にお金が刷られているので、お金の発行量(マネタリーベース)の拡大に合わせて金の価値は高まり続けます(裁定と言います)。
また、有事の金買いという現象からも分かるように、金の価値は金自身が担保していますが、お金の価値は政府の信用力が担保しています。これが本質です。金を買うことが投資かと言えば、どちらかと言うと価値の保全手段という側面の方が強いかもしれません。
不動産投資
不動産投資というのは、マンションやアパートの所有者となって賃借人に賃貸することでお金を稼ぐ手法です。立地や構造、築年などを背景に将来にわたって賃貸需要(住みたい人)があり続けるか、そこから返ってくるお金で融資の返済や納税、修繕等その他費用を負担して手残りがどれくらいになるかを見極めて投資を開始します。やり始めると結構奥が深くて面白いですが、本質は将来に亘って手残りが幾らになるか、ただそれだけです。
不動産投資がおすすめな理由は他の投資手法と違って融資(他人のお金)を使えるところであり、一方でそれがデメリットにもなっています。いわゆるレバレッジが効くと表現されるものですが、下手に不動産投資を開始すると、株の信用取引で追証で破綻した話とかと同じような結末になります。しっかり調べてから投資エントリーすればそんなにリスクは高くないので安心して下さい。この点は今後記事を挙げてきます。
デリバティブ
基本的にはやるべき投資対象ではありません。
スワップやオプションといった言葉を聞いたことがある人もいるかも知れませんが、これは業者同士が変動金利と固定金利を交換したり将来に決まった価格で買い取る権利を売買したり、価値の等価交換が行われるマーケットの商品の名前です。
一般消費者がデリバティブ商品を買う場合には等価交換ではなく、業者=証券会社や銀行にかなりの利鞘を抜かれていることを認識しておいて下さい。
例えばデリバティブ商品で有名な株系仕組債という商品は、先ほどお話ししたシンプルな仕組みの債券に、「特定の会社の株が将来、現在の価格の80%を下回らないまま5年間推移すれば貰える金利が増えます。その変わり、価格が80%を下回ったら金利がゼロになります。更に価格が60%も下回ってしまったら当初の債券の元本がその金額の60%相当の当該会社の株になって償還されます。」というような仕組みを内包させて証券会社の利鞘を分かりにくくした商品(=対消費者向けには、消費者の求める形にカスタマイズした商品です、という見せ方をしてきます)を販売しています。
と言ってもこういった商品は私募仕組債という形式を取るため、数千万円くらいの貯金のある人で無ければ勧誘すらされません。証券会社のセールスマンが営業する相手は金持ちだけです。
保険
保険は投資ではありません。
人の平均寿命や病気などの統計データからみんなで幾らずつ出し合えば死んだ人の家族や病気になった人の医療費を賄えるか等を計算して商品化し、保険会社の経費を上乗せしています。外貨建てなどの複雑な商品は先ほどのデリバティブを使ってコストの見えない化&保険会社の収益拡大化を目指している商品なのでやめましょう。
最後に
如何でしたか?
これらの投資対象について勉強しようと思うととても時間が掛かりますし、結局どうしたらいいか分からいけど、とりあえず直ぐに投資をスタートしたいっていう人は、パッシブ系の投資信託や国債(国が債務者の債券)辺りからスタートしてみると良いかも知れません。
確りと投資対象を選んで投資を開始したい人は、まずはこれならやれそうだなと思う投資対象について色々調べることから始めてみましょう。
上記で述べた投資対象毎のリスクと本質を確りと認識した上で調べて頂ければ、事実と事実でないことは見分けられるようになると思います。
ファンダメンタル分析やテクニカル分析、ROEのような指標など、いろんなワードが出てくると思いますが、これらは一つの尺度でしかないです
(※十分な流動性を持つマーケットではテクニカル分析が極めて重要な局面もあるのは確かですが、投機的なゲームに近い&何十冊も本が書けるテーマなので今回は触れません)。
末筆になりますが、結論としては「本質を確りと理解した上で、どのリスクなら採れるか、最終的な期待手残りはいくらか」といった観点から投資対象を精査していってみて下さい。
大成功はしないかも知れませんが、失敗はしないで済みます。
気になる投資対象があって証券会社等の売り手の説明では本質が分からない等あれば個別に私にお問い合わせして頂ければ記事を書きますので何なりとどうぞ。所詮、売り手は売り手の記事しか書きませんからね。