不動産投資のリスクとは?失敗しないために知っておきたいリスクとマネジメント

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投資一般、副業・起業

 「不動産投資 リスク」と検索窓に入れてググってみると、

 

価格変動リスク、賃料変動リスク(空室、滞納等)、金利変動リスク、災害リスク(火災、地震、津波等)、物件に関するリスク(瑕疵等)・・・etc

 

 だいたいどのサイトも上記のようなリスクと、その言葉の意味・説明、トレードオフ的な対処法をただ詳細に書いているだけで、一番肝心な本質的な説明が殆どされていないように見受けられました。

 

 確かに、言葉の意味や対処法を知ることは大事ですが、それだけでは実際に物件を買うときに役に立たない知識になってしまいます。

 学生だった頃の数学の教科を思い出してください。必死に公式を覚えるだけでは、翌日のテストはギリギリ出来るかもしれませんが数日後には忘れてしまいますし、入試試験のような総合力を問うテストでは全く役に立たなかったですよね。

そうです。公式をただ知るだけ/覚えるだけではダメで、何故そうなるのか/どのように考えれば良いのかを知ればわざわざ覚える必要はまったく無いのです。

 

不動産投資のリスクとは?失敗しないために知っておきたいリスクとマネジメント

 

それでは、今回のテーマ不動産投資のリスクについて考えていきたいと思いますが、目的の木に辿り着くためには森の全容を知らなければ辿り着けないですよね。なのでまずはコレです。

ヒト、モノ、カネ の流れを入出図に描いてみましょう

 投資分析をするときには入出図が便利です。入出図というのは私の造語なので「何ぞや?」となってしまうかも知れませんが、時間軸を横軸に取り、自分に入ってくるものはプラス、出ていくものはマイナスで人、物、金の流れを縦軸に書き込みます。
 利回りなどのお金に関する分析だけならばお金だけ、ビジネスモデルやリスク分析までする場合には更に人、物の情報を書き込みます。

 

下手ですいません (汗

 

大きめの紙に手書きで購入時から期中、売却(or 持ち切り)までのお金の掛かるイベントを全て書き込み、それに関連する人、物の情報を書き込みます。

入出図を頑張ってエクセルで再現しようと試みてみましたが、細かい部分は上手く再現できませんでした。不動産投資を実際にやってみたい初心者の皆さんは、思いつく限り、調べつくした全てのイベントを入出図の余白にどんどん書いていってみて下さい。

 

描いた入出図をじっくり眺めてみましょう(ここが一番大事です!)

 書いている内になんとなく気付いたと思うのですが、この入出図に書き込んだすべての事象にリスクはあるのです。


たしかに「不動産投資 リスク」で出てくるサイトで紹介されているリスクや、書籍で紹介されているリスクは不動産投資では王道?のリスクなんですが、それだけ覚えれば良いという性質のものではなく、調べつくした人にとっては当たり前のリスクであって、重要なのはもっと全体的なことであって、もっと深い部分のことなのです。

 

 投資は自己責任です。
売主(=売主業者)や仲介業者が説明するリスクは法令で決められたことや重要事項説明書の内容だけです。

・不動産投資家を目指して物件を購入してみたが2棟目以降が買えなくなってしまった。
・そもそも赤字で毎月手出しになってしまっている。

これらは残念ながら悪徳業者に騙されてしまった人の末路です。

2棟目以降を買えないのはまだマシですが、そもそも赤字は酷いですよね。
赤字で毎月手出ししている人は「担当者がすごく良い人で~」というのが口癖で悪徳業者に騙されている認識は全く無いのが特徴です。こういう人に親切心で騙されているなんて教えようものなら、逆に「なんでそんなこと言うんだ!」と怒り返されます。
人は皆プライドがありますから、騙されてしまったなどとストレートに言われても認められないんですね。

 

上記で紹介した事例の業者は買い手を不幸にしているのですから悪徳業者ですよね?
しかし、法令はギリギリ守っている(守っていなくても証拠が残っていない)ので罰を受けることはありません。

 

 売り手は売り手。仲介業者は仲介業者です。自己の利益のために仕事をします。

 あなたのために考えてくれる人は誰もいません!
自分のことは自分で守ってください!

 だから、川上から川下まで、人、物、金の流れまで、自分自身で注意深く調べあげるしか無いのです。

 

彼(敵)を知り己を知れば百戦危うからず。

 

 中国の兵法書-孫子-の一説ですが、敵と自分の状況をよく調べ尽くせば、勝てるかどうかは別として負けることはないという意味の言葉です。


完璧というのは無理ですが、自分自身の頭と手を使ってしっかり調べた人は失敗しません。必ず報われるものです。
準備9割。いざ買う段になればあっという間です。後で辛い思いをしないように準備に時間を掛けて下さいね。

 

 

?!!

 と、ここで終わってしまったら記事のテーマ倒れになってしまいますねw
以降で具体的なリスクとマネジメント、失敗例について簡単にまとめていきますね。

 成功した人、残念ながら失敗してしまった人、いろんな実例をこの目で見てきました。私自身も上手くいったこともあれば失敗したこともあります。
 失敗した人だってリスクくらいはネットで調べています。しかし表面だけで理解したつもりになって立場の違いや本質を考えないから失敗してしまうのです。完全に準備不足です。
もし不動産投資を始めようとしていて色々調べている読者さんが、たまたま私のブログを見つけて読んで貰ったなら絶対に失敗して欲しくないと思っています。
お節介かも知れませんが私が重要だと思ったことは確り伝えたいので、記事のテーマと少しブレることでも文字数を削ることなく丁寧に書いていきます。

 

 

不動産投資のリスクとマネジメント、失敗例

 

不動産投資の一般的なリスクとマネジメント

 

賃料下落リスク(空室、家賃滞納等)

  • 借主が転出すれば空室になりますし直ぐに転入者が入らなければ空室が続いて家賃収入が減少します。家賃滞納者がいれば早く追い出すか督促しなければ新しい入居者が入れないので空室よりもタチが悪いです。更に自殺者が出れば告知義務が発生したります。
  • 私の場合は一応全て経験していまして、家賃滞納者には法的措置をチラつかせ督促状を出して払わせました。自殺も幸い私の物件の場合は外出先での自殺だったので事故物件にはならないで済みました。また保証会社も付けてあったので遺品整理費用も出ました。
  • 買う前にチェックしておきたい点は、満室時想定賃料、近隣の同程度の物件の家賃相場、何部屋が何カ月空室でも耐えられるか(←ストレステストと言います)、そして人が住み続ける立地かという点です。
  • 「立地は変えられない」不動産では有名な格言ですが、まさにその通りです。駅からの距離、お店、治安、街並み、駅は急行が止まるか、どのような人が利用するか、調べることはいっぱいあります。

災害リスク(火災、地震、津波、洪水等)

  • 構造の話からいけば一般的に鉄筋コンクリート造が災害に対して一番強いです。ただし、住居が密接している地域で数時間も続く火災があれば躯体が無事でも塗装や内装材などは損傷するので立ち直るのは容易ではありません。
  • どういう住居地域なのか、ハザードマップではどうなっているか、その他にも、例えば地名に沼や川、池、谷、橋などが入っていればその昔、水に覆われていた場所だったりします。また、〇〇沼という地名だった場所が〇〇台などと呼び方を変えている例もあったりします。地元の人は数年おきに浸水被害に遭うことを知っていますが全く知らない場合、よく調べないで買って後から後悔する可能性もあります。
  • 災害への備えは火災(地震)保険に入ることです。融資を使って他人の金でレバレッジを効かせて物件を購入するわけですから、災害が起こって返済できなくなりました、では済みませんね。なので保険は外せません。漏れがちですが「電磁的」を入れておくとポンプやオートロックなどが何らかの原因で壊れたときなども老朽化以外であれば補償して貰えたりするので入れておくと便利です。

金利変動リスク

  • これは言わずもがなですね。私自身、金融機関に勤めていますが、どうせ低金利なので費用をフィックスさせる意味では固定金利で借りるべきだと思います。不動産投資ではだいたい当初5年間固定、5年後見直し等が採用されます。
  • 金利変動リスクではないですが返済に関するリスクとして付け足しておくと、デッドクロスリスクというのもあります。元利均等返済ですと毎月の返済額を同額にする代わりに当初は元金返済が少なく利金返済が多くなり、最後は元金返済が多く利金返済が少なくなります。利回りの低い物件や減価償却の建物割合が少ない場合には将来、元金返済額が減価償却を上回ってしまう状態に陥ることがあります(尤も最初からマイナス利回りの悪徳業者案件は論外ですが)。

不動産価格下落リスク

  • 当然ですが、不動産価格は売り主と買い主の間で合意するものです。
    通常、マイホームなどの売却では取得事例評価法や原価法が一般的ですが、投資用物件の価格評価を考える場合には賃料収入を基にした収益還元法が用いられます。
    だから利回り(年間の家賃収入額÷物件価格)が1つの指標なのですね。
    高い家賃設定でも入居が付く物件ならば高く売れます。その逆も然りです。
    (たまたまPCドライブに物件概要書が保存してあったので以下に載せておきます。雰囲気だけ参考にしてみて下さい。)

  • また、買い主が買いやすい物件かどうかということにも注意が必要です。
    物件を購入して利益から返済をしていくためには返済期間が長く取れるように耐用年数が残っていることも必要です。つまりあまりにも築古で耐用年数が残っていない場合には売りに出しても買い手がつかないということです。
    ですので、自分が買うときに将来まで見越して、持ち切りにする前提で買うのか、途中売却も視野に入れるのか、或いは短期の減価償却費を狙った物件なのか、明確に目的を持って買う必要があります。

物件に関するリスク(瑕疵等)

  • このテーマは語り出したらキリが無いので、検索窓に「重要事項説明書 記載内容」などと記入して調べてみて下さい。空室リスクで触れた自殺などもどちらかというと心理的瑕疵といってこちらのテーマに属します。

税金リスク

  • 何も対策をしなければ多額の納税が発生するので納税は大きなリスクです。税金リスクを甘く見ていると痛い目に遭います。
  • 不動産投資を始める前は物件の立地や空室リスクのことばかりを考えますが、購入して数年も経てば税金のことばかり考えるようになります。
  • 賃料のストレステストも重要ですが、満室時の最大収益を考えておかないとガッポリと税金を持って行かれることになります。
  • 税理士は味方ではありません。彼らは味方のふりをして納税させようとしてきます。税理士と仲良くする必要はありますが、信じてはいけません。
    (節税お役立ち情報は別の記事で書いてますので是非参考にして下さい。)

 

 ほとんどのリスクは予めマネージすることができます。
マネージしたリスクはもはやリスクでは無いですね。その代わり、リスクと利回りはトレードオフの関係です。どのリスクをどこまで許容するか、またはヘッジするか、結局、全体が分かってなければその判断も出来ないですよね。
だから自分の頭と手を動かして調べ尽くさなければならないのです。それが出来ていない人は判断を人任せにして失敗します。自分のことは自分で守りましょう。

 

知らないと陥りがちな失敗例

 

新築プレミアム

  • マイホームや車の購入で経験があるかも知れませんが、新品を買うときは高いですが、それを中古で売りに出す時には例え1日しか過ぎていなくても大幅に価格が下がります。これをプレミアムと表現します。
  • 必ず値下がりするわけではありませんが、新築投資プロジェクトをやりたい場合は気を付けて下さい。

積算価格

  • 不動産の評価方法は大きく分けて3種類ありますが、銀行はこの積算評価を利用します(積算評価とは?はネットで調べて下さい)。
  • 重要なのは、積算評価に依存した融資ならば、手出しも抑えられるし、次の物件にも手を出せるということです。
    積算評価の無い物件、例えば築古や高利回りの木造アパートなどは積算が低くなりがちなので、個人の信用力に依存した融資になり易いです。この場合は、手出しが必要だったり、次の物件を買い進めなくなるので注意が必要です。
  • ここまではプロパーローンを引っ張る場合ですが、住宅ローンを使う「なんちゃって不動産投資」だと銀行の審査も甘いため完全に投資家の信用力に依存した融資になり易いです。こういう案件は大体悪徳業者なのでロクに利益も出ない物件を掴まされることになります。
    ※フラット35不正利用問題のおかげでこのスキームで騙されることはもう無いですが、こういう手口はイタチごっこですから色んな手口を知っておくことが対策になります。

借り手を自分の前提にしてしまう

  • 特に初心者がやりがちなのが、自分が住む前提で物件を見てしまうことです。
    マイホームのようなこだわりは一切不要です。賃貸で住む人もとりあえず最低限の設備が揃ってればあとは賃料次第です。最大公約数を目指しましょう。
  • 私も最初に見つけた物件は結構外壁が汚くて買うことが出来ませんでした。今考えるとすごく良い物件でした。投資家としての目を養うためにも実際に買うつもりになって何棟も調査してみましょう。絶対に無駄になりません。
    ここまで読んで頂いた方なら分かるはずです。知らないことが間接的なリスクになるので、本番さながらにシミュレーションして知識を増やしてください。

 

 

如何でしたか?

入出図からどこまで想像できて、どこまで調べ上げることが出来ましたか?

 

私がこの記事で取り上げたリスクも入出図を書いて人、物、金のキーワードからシラミ潰しに調べ上げていけば必ず出てくる話ですが、売り主主体のサイトでは書いていない大事なことばかりなので、ほんの一部ですがアウトプットさせて頂きました。

 

実際に物件を購入してみないと分からないこともあって当然です。「やってみなきゃ分からないからやってみよう!」精神は大切ですが、ちゃんと準備をしてから始めて下さいね。

 

彼(敵)を知り己を知れば百戦危うからず ですから。 これマジです!(マジって死語?爆)

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