不動産購入に掛かる費用って?仲介手数料や取得税の計算方法

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投資一般、副業・起業

 「不動産投資の勘所は大体理解できた!」

 

 そうなると今度は物件購入時の費用がどんなものか気になるところですね。

 

今回の記事では、不動産の取得時に掛かる費用について、私の1棟目に購入した物件を参考にして超具体的に解説していきます。
この時は物件価格の値切りにも成功しているのでその辺も参考に書いておきます。

 

不動産購入に掛かる費用って?仲介手数料や取得税の計算方法

 

まずは費用を計算するための前提条件として物件概要を紹介します。
基本的には物件概要書とレントロールという賃料明細が書かれたA4版のピラ紙2枚だけで買いかどうか判断できなければ物件購入は出来ません。ライバルたちはこれくらいの情報で買付申込を入れてきます。良い物件ならば競争も激しいので直ぐに分析して動けるようにしましょう。
みなさんも以下の物件概要を基に物件購入費用を手を動かして計算してみて下さい。

物件概要(売主提示の当初条件)

【●●レジデンス】
価  格:210,000,000円(満室時想定:7.43%、現況7.13%)
所  在:首都圏県●●市●●1-2-3
交   通:JR●●線「●●」駅徒歩8分
構   造:鉄筋コンクリート造陸屋根4階建
築   年:築25年
検査 済証:有り
地   積:114.93坪
延   床:228.81坪
用途 地域:第一種住居
建 蔽 率:60%
容 積 率:200%
接   道:北側公道
土地評価額:35,336,699円
建物評価額:44,584,277円
業者 態様:媒介

※土地と建物の評価額は評価証明に記載されていますが、買付申込をする前の物件概要書の段階では見せて貰えない場合が多いです。今回のテーマでは所与のものとしています。
※当たりの付け方は別の記事で紹介します。

 

 

それでは早速、出金(費用)項目の説明をします。

出金(費用)項目の整理

予め整理しておくと、
出金項目は、物件価格(税込総額)、契約書印紙代、金消契約印紙代、抵当権設定費用、所有権移転登録免許税、司法書士費用、仲介手数料、火災(地震)保険料、固定資産税、都市計画税などがあります。
この総額を計算して銀行からいくら融資を得られるか、手出しはいくらになるかを計算します。

 

物件価格(税込総額)

  • 読者の皆さんには架空の物件概要しかお見せしていないので物件価格は210百万円しか選択肢がないのですが、実際には所在地が分かれば他人の土地・建物であっても不動産謄本を取得することができるので、この時は不動産謄本も取得しました(←これ自体は普通のことです。たぶん仲介業者が取得してコピーをくれるはずです。無かったら自分で法務局に行って取得しましょう)。
  • 不動産謄本には色んな情報が載っています。売主は当該物件の土地・建物に関して6年前に160百万円を借入れて抵当権設定していたので少なくとも160百万円(≒利回り9.5%)かそれ以上の金額で購入していることが想像できました。
    一方で、融資はスルガ銀行から金利4.5%で受けていたので、もしかすると返済負担が重くて困っているかな=手放したいなら交渉余地が有りそうかな、という予想が立ちました。
  • そこでこのエリアでも妥当な利回り水準8%から逆算した195百万円で買付申込を入れたところ、案外あっさり交渉成立でした。
 物件概要より満室時想定賃料は210百万円×7.43%=15.6百万円。この金額が妥当かどうか、アットホームやスーモなどのサイトで周辺エリアの賃料設定を調べて戸数を乗じた年間賃料が同程度になるか確認をします。
満室時想定賃料が妥当ならばこのエリアの平均的な利回りを楽待サイトなどで調べ、賃料÷利回りで逆算すれば妥当な物件価格が導き出せます。
売主も適正価格が大体どれくらいかは知っていながら物件概要では高めの球を投げてくるので、売り主が物件を手放したくて特に競合もなければ案外あっさり適正価格まで値切れたりします。

物件価格(税込総額)= ▲195,000,000円

 

契約書印紙代、金消契約印紙代

印紙代はそれぞれ下表の通り。

契約書印紙代 = ▲60,000円
金消契約印紙代 = ▲100,000円

記載金額 不動産売買契約書 金銭消費貸借契約書
記載金額なし 200 200
1万円未満 0 0
10万円以下 200 200
50万円以下 200 400
1百万円以下 500 1,000
5百万円以下 1,000 2,000
10百万円以下 5,000 10,000
50百万円以下 10,000 20,000
100百万円以下 30,000 60,000
500百万円以下 60,000 100,000

※実際には50億円超まで印紙代が決まってますが、使わないので削っています。

 

抵当権設定費用、所有権移転登録免許税

抵当権設定費用=▲借入金額×0.4%(固定)=▲205百万円×0.4%=▲820,000円
所有権移転登録免許税=▲(土地評価額+建物評価額)×2%
=▲(35,336,699円 + 44,584,277円)×2%=▲1,598,420円

※本来、必要借入総額は全体の費用を計算してみないと出ませんが、ここでは簡単の為に予め所与のものとしております。

 

司法書士費用

司法書士費用=▲150,000円

※パーセンテージで決まっているものではありません。凡そ10万円~20万円が相場です。

 

仲介手数料

●売り主シロートの場合は不動産業者が仲介をするので仲介手数料は下表の通りです。不動産業者が課税業者であれば計算結果に更に消費税(10%とします)を乗じて下さい。宅建業法では下表の計算値を手数料の上限と定めていますが、わざわざ手数料を負ける業者はいないのが普通です。
●売主業者の場合の手数料率は定められていないので理屈上、業者はいくらでも収益を抜くことが出来ます。

仲介手数料=▲(195百万円×3%+6万円)×1.10=▲6,501,000円

物件価格 仲介手数料
2百万円以下 5%
4百万円以下 4%+20,000円
4百万円超 3%+60,000円

 

火災(地震)保険料

損害保険会社のHPで概算を見積もりできるので、そちらを参考にして下さい。

火災(地震)保険料=▲1,000,000円

※火災保険期間10年、地震保険期間5年。オートロックが付いている物件なので電磁的を追加しました。

 

固定資産税、都市計画税

固定資産税率は1.4%、都市計画税率は0.15%
(※都市計画税は最高限度0.30%以内で決定され、地域によって異なります。)

土地の固定資産税=▲土地評価額(35,336,699円)×1/6×1.4%=▲82,452円
建物の固定資産税=▲建物評価額(44,584,277円)×1.4%=▲624,180円

土地の都市計画税=▲土地評価額(35,336,699円)×1/3×0.15%=▲17,668円
建物の都市計画税=▲建物評価額(44,584,277円)×0.15%=▲66,876円

※土地の固定資産税には住宅用地の課税標準の特例が適用され、面積200㎡以下の部分の課税標準が1/6、それを超える部分の課税標準が1/3となります。集合住宅の場合には敷地面積を居住用住居の個数で除した面積となるので不動産投資の場合は常に1/6と覚えてしまって差し支えありません。
※土地の都市計画税には宅地取得の特例が適用され土地の課税標準が1/3となります。

 

費用総額の合算、まとめ

上記で算出した費用を全て合算すると、

費用総額=▲206,020,596円

となります。

 

 

当時の私の場合は銀行融資が205百万円出ましたので費用は全て賄えました。いわゆるオーバーローンですね。

実は入金項目というのもありまして、

  • 前オーナー(売主)が借主から預かっている敷金の引継ぎが1百万円くらい、
  • 賃料支払先変更期間の前受金、2か月なら2~3百万円くらい

が決済日に受け取れますので手出しは一切ありませんでした。

 

おわりに

 現在、不動産投資エントリーしようと虎視眈々と準備をしている方へ。

 

 スルガスキームやカボチャの馬車スキーム、複数法人スキーム、住宅ローン「なんちゃって不動産投資」スキーム、

 挙げればキリがないですが、こういった迷惑行為のせいで銀行の融資姿勢が完全に冷え込んでいたところから再び融資が出るようになってきたとの情報が入ってきています。

 

 但し、フルローン、オーバーローンはかなり出にくいようです。どれくらいの物件なら無理なく買い進められるか、今回の記事を取得費用の計算に役立ててみて下さい。

それでは!

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