能登半島地震により被害を受けられました皆さまに心からお見舞い申しあげます。
おそらく能登半島地震による影響だと思うのですが、
最近、大成パルコンで耐震等級3を取ることの意味。絶強たる所以。の閲覧数がとんでもなく伸びています。
これからおウチを新築しようかなと考えている人にとっては重要な話ですからね。
幸い、とっとの書いた上記記事に辿り着くことができた方は、構造毎に耐震性能が異なり、同じ耐震等級3でも色んな意味があって、そもそも適合認定を取得しているハウスメーカーでは構造計算すらしていないという事実を知って唖然としたことでしょう。
建築物の構造計算には構造計算ルートという考え方があるんですが、今回はこのルートについてお話ししようと思います。
普通、ここまで調べておウチを購入する人はほとんどいないと思いますが、
パルコンが気になる人は構造計算とかについてもかなり踏み込んで調べている人が多いと思いますからね。
でも構造計算ルートっていざ気になって色々調べてみても分かりやすく書かれているサイトとかってなかなか無いんですよね。
ということで、
構造計算ルートについてとっとが簡単にまとめてみましたのでルートの意味がよく分からないという人は是非参考にしてみて下さい。
RC造の構造計算ルート
RC造には大きく分けて3つのルートがあります。(ルート1、ルート2、ルート3)
それぞれのルートの条件について説明しちゃったほうが分かりやすいと思うので早速ルート1から説明していきたいと思います^^
ルート1
ルート1は、地震力に対して徹底的に強度を高める構造設計法と言われています。
具体的には、鉄筋コンクリートの壁を、各方向に配置して所定の壁量を満足させます。また階高による制限もあります。
【ルート1の条件】
- 規定の壁量確保
- 高さ20m以下(マンション6階建て相当)
要するにルート1は層間変形角や偏心率などの精緻な計算が不要なくらい壁量を確保して徹底的に強度を高める前提の構造計算方法と言えますね。簡単な計算手順で済み適判も不要ですが、その代わり高い強度が必要になります。
ちなみに、大成パルコンはルート1になります。
ルート2
ルート2の設計法はルート1と同じく建物の強度を高めて地震に抵抗することを主眼に置いていますが、ルート2では規定の壁量がルート1に比べて緩く設定されています。
どういうことかと言うと、単純に壁を少なくできるということです。
その代わり、いろいろな制限が付きます。
【ルート2の条件】
- 規定の壁量確保
- 高さ20m超且つ30m以下(マンション7~10階建て相当)
- 層間変形角1/200
- 剛性率6/10
- 偏心率15/100
- 建築物の塔状比4以下
↑見ての通り、ルート1に比べると遥かに満たすべき条件が多く厳しいですよね。
なので、ルート1、後述するルート3に比べ、このルート2で設計される建物は少ないです。
ルート3
ルート3は、建物の靭性(変形性能)を考慮した設計法です。
単に強度を高めるわけではなく、柱や梁の変形や塑性ヒンジの発生により、地震のエネルギー吸収を目的とした設計法です。
【ルート3の条件】
- 層間変形角1/200
- 高さ31m超且つ60m以下
- 建物の保有水平耐力が必要保有水平耐力を満足すること。
例えば学校やマンションのように、比較的開口が多い建物はルート1やルート2を満足する壁量が確保できません。そのためルート3を適用します。
国土交通省の調べによるとルート3の設計法は最も申請される数が多いそうですが、複雑で大規模な建築物になると自然と壁量を確保するのが困難であることが理由だそうです。
↑
この説明を聞いたらとっとのようなシロートは「裏を返せばルート1が最強じゃん」って思うんですが、考え方が異なるものの比較になってしまうので建築士などのプロに言わせるとどのルートが一番強いかという問答はナンセンスみたいですね・・・^^汗
また、例えばルート2に該当する建築物であっても、ルート3で詳細な計算を行った場合に、鉄骨部材などの断面を小さく出来そうと考えられる場合は、あえてルート3の計算を行うケースもあるそうです。
はい、ということで、
なんとなくルート1で済むならルート1で建築するのが一番堅牢な気がしますが、更に万全を期すならば例えば偏心率を0.15以下にして貰うなど、ルート2に含まれる条件を建築条件に含めた上で耐震等級3でお願いすると無敵のマイホームを作れるんじゃないかと思います^^
(ちなみにとっとは許容応力度計算における耐震等級3を満たし偏心率0.15以下という条件で新築を計画しました。)
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