障害者グループホーム投資って知ってますか?
最近、障害者向けの「グループホーム」への投資が増えているという記事をよく見かけるようになってきました。
これまで人気のあったサービス付き高齢者向け住宅の需要が頭打ちとなるなかで、新たな投資対象として注目を集めているそうです。
私はやってません(やるつもりもないです)が、今回はグループホームが投資として成り立つか考えてみたので、人気の理由や気を付けるべき点について述べようと思います。
障害のある人が、日常生活上の介護や支援を受けながら共同生活を営む住居のことです。
グループホームで暮らす人に対し、入浴、食事などの介護や生活相談、その他の日常生活上の支援を提供するサービスは「共同生活援助」と呼ばれ、障害者総合支援法が定める「障害福祉サービス」の一つとされています。
人気の理由
あまり知られてませんが、昔は障害者施設というと人里離れたところにあることも多かったんですが、5年前くらいに国の方針が大きく変わって、山奥や街から離れたところに障害者を隔離するような入所施設は作れないルールになりました。
それまでの入所生活から地域生活へと移行し、支援を受けながら一般の家庭と変わらない自立した生活が送れるようにするという新たな方針のもと、施設入所者数についても削減に関する数値目標が設定されました。
その結果、入所施設でなければ対応できない重度障害者を除き、比較的支援の必要性が低い人は入所施設を出ざるを得ず、行き場を失った障害者の受け皿としてグループホームが必要とされている、というのが理由です。
運営のメリット
運営面でも旨味(投資メリット)があります。
障害者には「障害基礎年金」という年金制度があり、さらにグループホームの入居者には国から一律1万円の家賃助成があるほか、行政単位でも障害者福祉に助成が行われるなど、約8割の入居者は実質負担なしで入居できるらしいです。
また、実際の運営は専門の業者が行うため、オーナーは家賃を受け取るだけという一括借上げの形態をとっており、事業者が倒産する可能性はゼロではないものの、国からの手厚い保護により、家賃の不払いリスクが少ないため、リスクはそこまで高くないということらしいです。
更に! 最近はすっかりマンション等への不動産投資に対する融資が通りにくくなってしまいましたが、どうやら、障害者グループホームは国が推進している取り組みでもあり、社会貢献の意味合いも強いので、融資が通りやすいのだそうです!
(事実確認はしていませんがw、なんか抜け道として有りそうな気もするw)
気を付けるべきポイント
ネットで調べて出てきた気を付けるべきポイントはだいたい以下のような感じでした。
- 需要が多いと言ってもどんな物件でも良いというわけではなく、家賃が相場より高ければ入居者は付かないし、移動に不自由な入居者もいることから、近隣にコンビニなど便利な施設があるかどうかは通常のアパート以上に重視されるそう。
- また運営事業者は、障害者福祉という社会貢献がメインであることから、投資としての経営感覚が乏しい事業者も多いのだそう。
↑「その点、当社に任せて頂ければ〇〇〇!」なんていうのは、嵌め込み業者が考えそうなもっともらしい気を付けるべきポイントですね。
私はこれからエントリーする投資対象としては既に遅いのかなと思っています。理由は以下の通り。(既に早耳筋エントリーの影響が出始めているようです。)
東京商工リサーチの調べでは、2019年の「障害者福祉事業」倒産は30件(前年比30.4%増)で、過去20年で最多を記録しており、小規模事業者の「販売不振」、「放漫経営」が目立ち、「人手不足」関連倒産も5件発生したとのこと。
2000年から2006年まで「障害者福祉」事業者の倒産はゼロだったが、2006年4月の「障害者自立支援法」の施行で、これまで障害関連事業の認可は社会福祉法人だけだったものが規制が緩和された。さらに2013年4月に「障害者総合支援法」が施行され、民間企業の参入への敷居が低くなり、給付金や補助金を頼りにした企業が大幅に増加。
厚生労働省は、生産活動による収益だけでは障害者の賃金を支払うことが困難な就労継続支援A型事業所を指導するなど、適正化を進めている。適切な事業運営をせず、経営改善が見込まれない場合は、「勧告」や「命令」などの措置が講じられることもある。こうした流れを背景にして、補助金に頼り、自立が難しい事業所の淘汰が始まった。さらに、障害者福祉事業の分野でも「人手不足」が広がり、小規模事業者の倒産が全体を押し上げた。
業者に丸投げならラクで良いけれど、
- 一体どれくらいの業者がいるのでしょう?
- 報酬は?
市場の競争原理が働くくらいのプレーヤーがいないと良いカモになっちゃいますからね。
昔ながらの大家業がなんと言っても安定的だと思います。