【思いのままに語る】不動産業界、時代はフローからストック型へ

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不動産一般

 

 

思いのままに語るシリーズ、また続きを書くのを忘れていました^^汗

初回の型式適合認定の話から大手ハウスメーカーの歴史まで話が飛びましたが、今回は少し未来のことに触れて思いのままに語るシリーズを締めくくりたいと思います。

(もう書くことがありません笑)

 

 

 

今回の記事を簡単に要約しておくと、

住宅業界はこれまでのフローのモデルからストックのモデルに転換してきていて、
今後、長期的には構造計算書や長期優良認定書を取得した耐用年数の長い家の資産価値が下がりにくくなる時代になっていきますが、
短期的には今建てるなら鉄筋コンクリート造か悪くても重量鉄骨造にしておいた方が無難ですよというお話しをさせて頂こうかと思います^^

 

 

フロー(新築住宅)は下火

 

前回記事で大手ハウスメーカーの歴史に触れ、ハウスメーカーは既に大きくなりすぎていて動き続けていないと潰れてしまうというお話をさせて頂きましたが、日本はどんどん人口(特に若者)が減少していますので、遅かれ早かれどこかで新築住宅のニーズはジリ貧になっていくわけです。

 

そもそも平成30年時点で総世帯数5,400万世帯に対し住宅総数が6,240万戸だったので既に需給バランスは崩れてしまっています。

 

 

ストック(既存住宅)に目が向けられている

 

上記のような事情なのでビジネスモデルの転換がこの業界の急務なわけですね

欧米では住宅は長期にわたってリフォームしながら住み続けるものとなっているため、住宅の寿命が長く流通量も多くなっているんですよね。
全住宅流通量に占める既存住宅流通の割合は、米国が80%、英国が90%とか言われています。

最近のハウスメーカーの展示場を回っていると↑このような切り口からロングライフサポートみたいなセールストークも使われていると思いますが、

成熟したマーケットでは新築中心ではなく既存住宅の活用が中心であり、既存住宅への住み替えが多く行われるようになっていくという側面もあるわけですね。

 

 

これまでの日本の住宅はスクラップ&ビルド型と言われ、30年程度で家を解体して新築に建て替えることを繰り返してきましたが、タイミング良く近年の住宅は性能も耐久性も向上してどんどん寿命が延びてきているんですよね^^

(計画供用期間とかの設定の問題っていうのも大いにあると思いますが今回は置いておきましょう笑)

 

 

具体例を挙げておくと、

ヘーベルハウスが(毎回例えがヘーベルになってしまいますがw)ストックヘーベルとかをやってますよね。

 

ストックヘーベルって何ぞや?と言ったら、

要するに定期的な修繕工事で儲ける以外にも、販売済みの既存ヘーベルハウスの買取販売(売主ヘーベル・買主シロート)や両手媒介(売主シロートと買主シロートの間に入って手数料収入)で儲けようというビジネスモデルですね。

これまでは街の不動産屋さんがやっていたことですが、ハウスメーカーならば売主(へーベリアン)も買主(展示場見込み客)もどちらもグリップしていますからね^^

 

 

ますます中小企業は生き残れない時代になっていきますねぇ・・・(しみじみ)。

 

 

ゆっくりと進む法整備と大手ハウスメーカー

 

日本では、これまで既存住宅を選ばない理由として「隠れた不具合に対する心配やリフォーム費用の不安、耐震性や断熱性がよくわからない」などが原因として挙げられていましたが、

このような問題を解決するために、既存住宅を適切に評価する手法や査定する仕組み、瑕疵保険や住宅履歴情報蓄積の促進が図られ、2009年には長期優良住宅普及促進法が施行されました。

 

 

先ほど、ヘーベルハウスを例にとってお話ししましたが、大手ハウスメーカーでは適切な維持管理をマニュアル化し住宅の査定基準を定め、市場での流通を促進させようとしています。

 

例えばこの査定では、建物をスケルトン(柱・梁・床等の構造躯体)とインフィル(住戸内の内装・設備等)に分け、スケルトン部分とインフィル部分の償却を別々に評価する手法が取られています。

そしてこれを住宅履歴データとして、耐震基準をクリアしていること、長期のメンテナンスプログラムをクリアしていることなどで基準化し、この基準をクリアした住宅に関してはこれまでよりも建物の価値を高く見るように動こうとしています。

 

ちなみにこういったスケルトンインフィルなどの活動には、旭化成ホームズ、住友林業、セキスイハイム、積水ハウス、大和ハウス工業、トヨタホーム、パナホーム、ミサワホーム、三井ホーム、ヤマダホームの10社が参加して、優良ストック住宅推進協議会という社団法人を立ち上げて推進しています。

 

 

最近だと、「大和ハウスが新住宅ローン 20年後に売却で返済ゼロ」や「積水ハウス社長「日本、人口減でも住宅事業に拡大余地」」などの日経記事を目にした方もいるかと思いますが、

ゆっくりと、でも確実にフローからストックへの流れが進んできています。

 

 

まとめ

 

ということで、

これからは長く住める家がハウスメーカーのテーマになっていく(既になっている)し、それが資産として今以上に価値を持つようになる可能性があるということになります。

 

悲しいかな、いずれにしても人口動態的にも日本の成長力はどんどん落ちていくのが目に見えているし、お金もどんどん稼ぎにくくなっていくから新築のメリットは薄れていくし、もっと中古住宅に目が向けられるようになる流れですよね^^汗

 

 

あと最近肌感覚として感じるのは、ハウスメーカー界隈では「法定耐用年数とは関係なく耐久年数を謳うようになってきている」ってことです。

特に先ほどの優良ストック住宅推進協議会に参加しているハウスメーカーの営業マンほど、法定耐用年数の議論を置いて耐久年数の話をしてくることが多いです。

 

ええ、みんな口をそろえてロングライフサポートとか60年安心とか言ってきます笑

 

で、この10社が進める新しい基準の世界では、長期優良住宅の耐震等級3や断熱等級だのを取って置いたり、計画的に修繕したり、インスペクションをやったり、そういうことをしておくと、資産価値が下がらないので将来的に高く売れる可能性が出てきますよ、っていう感じに進んでいくんじゃないかなと思います^^

 

 

でもね、↑これをこのまま安請け合いしちゃうのもどうかなーとも思うんですよね^^汗

 

というのも、銀行の融資審査は相変わらず法定耐用年数で見ているので、そこが変わらないと木造や軽量鉄骨造を資産として考えるのは厳しいと思います。

モノを造る側のハウスメーカー側は耐久年数を謳っていますが、カネを貸す側の銀行は法定耐用年数を見ているので、そこにアンマッチが生まれてしまうんです。

 

なので今新築を建てるなら、鉄筋コンクリート造か、悪くても重量鉄骨造にしておかないと資産価値を守ることはできないんじゃないかなと思います。

あと、耐震等級3も長期優良ではなく許容応力度計算で取っておいた方が無難です。

 

 

以上、

だいたい言いたいことはほとんど言えたので思いのままに語るシリーズここに完結です^^

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