みなさん、
新築するときに軒(のき、庇)の長さってどれくらいが良いんだろうって考えたことありませんか?
軒や庇というのは、雨避けや日差し避けの役割を果たすものですね。
この軒があることで、雨水が吹き込みにくくなり、夏季には直射日光を遮り外気温の影響を受ける割合が少なくなります。
でも、
この軒って何センチがベストなんでしょう?
雨を避けるためなら長ければ長いほど良いってことになりますが、そんなことしたら部屋の中が暗くなっちゃいますし、
夏の直射日光を避けつつ、冬の太陽光はしっかり取り込めるくらいがベストだと思いますよね^^
今回は太陽光に着目して、南面の軒の長さって何センチがベストなの?っていう疑問について、答えを出しちゃおうと思います^^
軒(庇)の長さは90cmがベスト?
そもそも、軒をどれぐらいの長さにするかについては、明確な決まりはないそうです。
軒がないという家もあれば、長かったり、深くしたり、色んな長さの軒の家もあります。
軒が長いほど、雨や直射日光などの刺激から外壁や家屋を守ることができますが、日光を遮る面積が大きいので、室内が暗くなりやすいという特徴もありますよね。
そういったメリットやデメリットを合わせて考えると「理想的な軒の長さは90㎝」なんていう記事を結構よく見かけます^^
でも、それっていつの話(天井高が何センチのときの話)なんでしょうね?
ウチなんかもハイパネル仕様で天井高を2600㎜にしてますし、最近はもっと高い天井高にする家も増えてきていますし、サッシの高さも昔の特寸が今は結構標準サイズで展開されていますよね^^
なので、今回は太陽角度から適切な軒の長さを自分で計算してみました^^
南面の軒(庇)のベストな長さを計算してみる
↑太陽の角度を調べようとしたときによく見かける図ですが、当たり前ですが太陽の入射角度って季節によって違いますよね。
四季の中で太陽高度がもっとも高くなる時点の角度はそれぞれ、
- 夏至 :78°
- 春分・秋分:55°
- 冬至 :31°
だそうです。
新築の建物立面図にそれぞれの入射角で太陽光の線を描いてみれば軒の長さが適当かどうかが分かるはずですが、
小学生じゃあるまいし、分度器なんか持ってないですよねw
でも安心して下さい^^
数学で習ったタンジェントを使えばそれぞれの角度の時の縦横比が分かりますので。
しかもグーグルの検索窓に「タンジェント78度」と入力すれば直ぐに「4.70463010948」という結果が出てきます^^
便利な時代ですねw
↑忘れちゃいました?w
tanθ=a/b なので、a=b tanθ で求めることができます^^
つまり、天井高をa としたときに、最低限必要な軒の長さb は a/tanθ で求められるということですね^^
簡単のために、b=1とすれば、それぞれの季節における aの長さは
- 夏至 :1・tan78°=4.7
- 春分・秋分:1・tan55°=1.4
- 冬至 :1・tan31°=0.6
となります。
アイキャッチ画像にも載せていますが、新築図面の立面図にそれぞれの季節の太陽光入射角を書き込むと以下のようになります。
ただし、
上図の太陽高度は、完全に南の一番高度が高くなった時の前提なので、夏至を挟んだ前後1か月、太陽が昇って沈む時間帯なども考慮して、ある程度余裕があるような軒の長さが望ましいです。
その辺のことを考えて、我が家では天井高2600㎜に対して軒の長さを夏至の太陽角度の2倍程度の長さにしようと考えていたのですが、それだと1100㎜しかなく、洗濯物を干しやすいベランダにしたかったということもあって、2.5倍の長さの1400㎜にしました^^
ちなみに、よくある天井高2400㎜に対して軒の長さ90センチだと夏至の太陽角度の1.75倍の長さということになります。
あとはそもそも真南に向いているとも限らないですし、正解は無いと思いますが、
こんなふうに図面に書き込んでみるのも良いんじゃないかなと思います^^
ということで、
ベストな軒の長さは、建物の向きにも寄りますし、天井高にも影響されるので、一概に「ズバリ●㎝です!」みたいには決められない、というのが結論ですが、
南向きの軒(庇)であれば「天井高÷2.35」が一応の目安と言えます。
あとは方位や雨避けでもっと長くしたいなど、状況に合わせて適宜長さを決めて貰えば良いんじゃないかと思います^^
兎にも角にも、軒の長さ90cmは何十年も昔の基準なので、これから家を建てる人はよく検討してみて下さいね!^^
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