先週、久しぶりに思い出して「思いのままに語る」シリーズをアップさせて頂きましたが、
【思いのままに語る】型式適合認定とは?誰にとってのメリットか?の後にお話ししようと思っていた内容があったので、今回はそのお話しをしようかなと思います。
今回の記事では、大手ハウスメーカーのような巨大企業が生まれた時代背景を説明した上で、型式適合認定制度ができた背景などについても説明したいと思います^^
まずは現代の大手ハウスメーカーが出来上がるまでの歴史について触れておきたいと思います。
そもそも、大手ハウスメーカーの歴史というのはプレハブ住宅の歴史なんです。
プレハブ住宅が世の中に登場したのは1958年頃だと言われています。
時代は戦後復興期から高度経済成長期に移り、人口も爆発的に増えた時期ですから、より良い住宅を安く大量に提供することを目的として、住宅の工業化が進んだ時代でもあります。
どんどん豊かになっていくなかで、資本ストックもほとんど無かった時代なので、国策としてプレハブ住宅化が進められてきました。
現場で大工さんがカンナを使って木材を削り出していた在来工法から、工場生産による規格部材を用いたシステム化・合理化された工法に切り替わった時代ですね。
そもそもプレハブ住宅って何?って人もいるかも知れないので簡単にご説明しておきますね^^
プレハブ工法(プレハブこうほう)は、建築物の一部又は全ての部材をあらかじめ工場で製作し、建築現場で建物として組み立てる建築工法です。
なので、今どきの住宅はほとんどプレハブ住宅なわけです^^
逆にプレハブじゃない住宅と言ったら、在来木造軸組工法のおウチか、現場打ちRC造くらいしか思い付きませんが、
同じ木造軸組工法でも住友林業さんのビッグフレームなんちゃらってやつとかは集積柱を工場で接着しているのでプレハブ住宅になります。
というわけで一言でプレハブ住宅と言っても種類はかなり豊富で、
構造の種類によって、木質系、鉄骨系、コンクリート系に分類され、工法によって、軸組工法、パネル工法、ユニット工法などに分類されます。
せっかくなのでハウスメーカー毎の分類を簡単な表にまとめてみました^^
如何ですか?
皆さんも馴染み深いハウスメーカーばかりですよね^^
結局のところ、従来の在来工法よりもプレハブ工法が主流になっていったのは、安心感や品質の安定性が高かったからです。
プレハブ住宅は、工場での品質管理の下で、柱、梁、床、壁などの主要部材が生産されるため、品質のバラツキが小さくなりますからね^^
プレハブ住宅の現場施工の合理化を極めたのがユニット工法ですが、この工法は現場でユニットを積み上げるだけですから、基礎ができていれば、一日で住宅が建ち上がります。
我が家の近くに建ったトヨタホームなんてホントに1日で完成しちゃいましたからね^^
一方で、
プレハブ住宅が抱える課題っていうのもあります。
プレハブ住宅メーカーは、全国に工場を持つ大企業ですので、全国的に住宅着工戸数が減少しても、必ずある程度の受注棟数を確保しなければなりません。
何故かって?
工場を遊ばせておくわけにはいかないですからね^^
常に販売し続けて、動き続けていないと死んでしまうんです。
だからモデルハウスやCMなどの営業経費が必要なわけですね^^ もちろん、その負担は住宅購入者が負うことになります。
さて、ここまで話すと色々透けて見えてきますよね^^
なぜ型式適合認定が必要だったのか。
大手ハウスメーカーは、数の量産を名目に、住宅を大量に供給するために生まれた住宅会社であるという背景がありますから、型式適合認定があれば短期間で大量に住宅を供給できるようになりますよね^^
もっと端的に表現しましょうか^^
巨大になり過ぎた大手ハウスメーカーは常に家を造り続けて、動き続けなければいけないわけです。だから余計な時間や手間の掛かる構造計算や建築確認なんてやってられないわけです。
なんだか本末転倒ですけどねw
これはファクトチェックをした訳ではないのであくまで推察ですが、型式認定の背景には、阪神淡路大震災も少なからず関係していたんじゃないかなと思います。
阪神・淡路大震災は 1995年(平成7年)1月17日に発生しました。
1981年から適用されている新耐震基準でも影響が出たので、更に大きな地震、震度6強から7の地震でも倒壊しない2000年基準を作ったわけですが、
実際のところ、あんなに被害も大きくなって国も後処理で四苦八苦だったと思うんですよね。
そこで、ある程度はハウスメーカーに裁量を与えてしまって、国の責任も転嫁しようとしたんだと思います。
最近ではレオパレスや大和ハウスの事案も受けて、型式適合認定自体の見直しも考えられているみたいですが、急にビジネスモデルを変える訳にも行かないですからね。
まだ暫くはこの状態が続きそうです。
ビジネスモデルという点で話すと、住宅業界ではフローからストックへの流れというのもあって、非常に少しずつではありますが、中古住宅市場を盛り上げようという動きも出始めて来ています。
せっかくなのでまた次回の記事でご紹介しますね^^
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